かるく本でも読むか

本との出会いは一期一会。

童話×ヤンデレ×溺愛×美少女 ダークな世界観が魅力!

 

どうもです。看護師のゆんかです。

今回はダークな世界観が魅力的な長尾彩子さん著作の童話(メルフェン)シリーズを感想、紹介をしていきます。

全6巻で完結してます!

面白くて一気に6巻全て読んだのでざっくりとネタバレにならない範囲で感想を述べていきたいと思います。

 

目次

 

 

 

○世界観

双子の王子または王女が生まれたときに先に生まれた子を「栄光の子」として次の王へ、後に生まれた子を「忌み子」として扱うとされている宗教が強い国。特に昔は差別がひどく時代が進むにつれ少しづつ忌み子や魔女に対する扱いは緩和されていく。

 

紅の髪に黄金の瞳をもつものは聖書にて魔女として描かれており、尚且つ薬師の知識があるものは決まった曜日に薬草を取りに行く習慣がありそれを黒魔術的な行為なのではないかと誤解され魔女狩りが行われたこともあった。

 

1作目「魔女が死なない童話」

 

魔女が死なない童話 林檎の魔女の診療簿 (コバルト文庫)

辺境の小さな村にひとりで暮らす樹木医のレナーテ。村人たちは彼女を慕ってくれるが、自分の容姿が“魔女の特徴”とされる桜色の髪と黄金色の瞳であることを悲しく思っていた。そんなある日、レナーテを捨てた貴族の父に王都へ呼び出され、政略結婚に利用されそうになる――が、突然現れた第二王子に救われる。その場で求婚されるのだが、彼はなぜレナーテを知っているのか。2人の接点とは…!?(あらすじより)

 

 

もともと気になっていた作品だったのですが、どれが一巻なんだろう?と思ってるだけで読んでませんでした。けど、表紙が美麗すぎてついに購入しました!

 

 

レビューとかちらっと見て買ったのですが、童話×ダーク×溺愛
って感じですごく私好みの素敵な作品でした。

 

 

主人公の女の子は紅の髪に黄色の瞳を持つ少女。そしてお相手は、双子の弟で忌子として家族から愛情を受けずに育った王子のお話です。

 

 

聖典にて、紅の髪と黄色い瞳は魔女とされ嫌われているため嫌な思いをしてきた少女と幼い頃に彼女に救われた少年が一途に思い続けていました。

 

 

田舎町で暮らしていた少女の元に親交のなかった父親から政略結婚のために家に連れて行かれてしまいます。

 

そこで王子が助けてくれとんとん拍子に進むのですが、ダークな背景もあっさり書かれているため暗い感じではなくさくっと読めます。

 

しかも、王子の愛が重いというか執着しているのですが甘ーい要素が詰まっていてきゅんとしながら読むことが出来ます。

 

ファンタジーや童話が好きな方はぜひ!

 

 2作目「南瓜の王女の研究録 」

 王女が秘される童話 南瓜の王女の研究録 (コバルト文庫)

忌み子の王女ユリアーナは頭が悪いふりをしつつ、医薬の研究や飢饉に備えての南瓜作りに取り組んでいた。そんなある日、魔性の力を持つとされる忌み子を警戒する父王より、異例の若さで異端審問官となった少年クラウスが婚約者という名の監視役として遣わされてくる。「貴女のお傍を片時も離れるわけには参りません」と宣言した彼は、本当に一瞬たりともユリアーナの傍を離れず…?(あらすじより)

 

 
前作と同じ世界観、同じ国のお話なのですが時代も登場人物も違う(猫とうさぎは別)のでシリーズ作品ですが単体でも読めます。

 

 

前作と同じで、双子の王女であるため姉を次期国王、妹を忌子として冷遇しています。


王女であるためある程度贅沢はできるようですが王位継承権もないし前作よりも昔の話ということもあり差別がひどいです。

 

今回はそんな忌子である王女を監視するために国王から派遣された特別なんちゃら官という宗教組織の偉い人が監視兼婚約者としてやってきます。

 

 

16歳の小柄な美少年なのですが、敬語で淡々としており職務に忠実で固いです。

 


そんな少年に対して始めは隙を見せていなかったのですがだんだんと心を許し惹かれていきます。

 

二人とも恋に疎いというかお互い初恋なので初々しくてきゅんとします。

 

ダークメルヘンファンタジーのような作品なので暗い要素もあるのですが、主人公の王女は前作の主人公と同様に手に職を持っていて見ていて安心というかたくましくて素敵な女性だなと感じました。

 

小柄で年下の少年に対して子供扱いすると「子供扱いしないで下さい」と言ったり思わず少年に抱きつく二人の関係性が姉と弟のようでとても微笑ましいです。

 

次巻も別の登場人物の話になります。色々な話が読めてとっても楽しいです。

 

3作目「聖女が魔を抱く童話 」

 聖女が魔を抱く童話 葡萄の聖女の料理帖 (コバルト文庫)

改邪聖省の紅一点・祓魔師アデリナの特技は料理。葡萄酒を飲ませたり、魔除けの薬草や聖水を使った料理を食べさせることで身の内から魔を祓うのだ。そんなアデリナは国王の命を受け、落命したが息を吹き返した<異例の忌み子>と呼ばれる王子エルヴィンを祓魔すべく、城の料理番として潜入する。しかし、エルヴィンに目的を見抜かれた挙句、意地悪されたり騙されたりする毎日で…?(あらすじ)

 

 

 2作目から70年経過した話です。

 

今回は、ヒロインが忌子や魔女のような差別される存在ではなく男性の方が忌子となってます。一作目も男性の忌子でしたが。


とはいっても2作目や1作目の忌子は、双子の後から生まれた方が忌子という先天的なものでしたが、今回の話では一度死んだはずなのに蘇ったことで忌子と周囲に判断された第一王子と2作目と同じ宗教組織の女の子の話です。

 

今回は、2作目のユリアーナやクラウスの話が多く出てきているため前作を読んでいるとより楽しむことができます。

 

 

そしてレギュラーとなっている黒うさぎとクラウディアという猫ちゃんがめちゃくちゃかわいい!あーもふもふしたい。一緒に寝たい。

 

 

少し際どいシーンもあったりするのですが、お互いの恋心を自覚してからが素直で甘くてきゅんきゅんします。

 

 

個人的にレオンハルトは「絶対領域」という言葉をどこで知ったんだ?と思いましたw

 

 

あまり直接的な出番はなかったですが、アデリナの上司のコールさんがお見舞いに大量のお菓子を送ったり、エルヴィンからも餌付けと思われていることが面白かったですw

 

 


4作目「花嫁が囚われる童話」

 花嫁が囚われる童話 桜桃の花嫁の契約書 (コバルト文庫)

 生まれつき病弱な王女リースヒェンは魔女と同じ髪色と目の色のため、父王から疎まれていた。そして、異母弟が原因不明の病に倒れると『忌み子』に認定され、王大使を呪った咎で処刑が決まる。だが、処刑まで幽閉されたリースヒェンを、主治医かつ婚約者のエレンフリートが迎えに来る。いつも優しかった彼は「貴女の『粛清権』を買った」と冷たく微笑み、彼女を辺境の城へ連れ去るが…?(あらすじ)

 


さらに!時代を!遡ってる!

二作目で1作目の過去の時代と来たのでもうそれ以上遡ることはないのでは?と思っていたのですが今作はこれまでの作品の過去の時代の話になります。

 

レギュラーとしておなじみの黒うさぎと白猫のクラウディアの秘密というかクラウディアの名付け親が出てきます。なので、結構この作品の根幹とも云える作品なのかなと思いますね。この話を読むと黒うさぎとクラウディアに対する気持ちが変わり、さらに愛おしくなります。

 

今までの作品でも二匹の妖精は頼りになる。特にクラウディアは人間味があって良い奴だな〜と思っていたのですが、そんなクラウディアが実は……と秘密が明らかになります。


今までの作品では落ち着いた頼れる存在なクラウディアでしたが今作で暴れる暴れる。暴言も吐きまくりますw

 

ヒロインは病弱で魔女の象徴である紅髪と黄色い瞳から冷遇されているのはわりと共通です。けれど今までの作品でも腹黒いヒーロが多かったのですが、特にヒーローである男性がぶっちぎりで腹黒いですwというか目的のためなら手段を選ばない人です。

 

ある意味このシリーズの期待を裏切らないちょっとおかしな人がヒロインを溺愛します。

 

いやーやっぱ美少女と青年て良いですね。年齢差はあまりないんですが、関係性が医師と患者と萌え要素が詰め込まれてます。

 

 

 5作目「侍女が嘘をつく童話」

 侍女が嘘をつく童話 野苺の侍女の観察録 (コバルト文庫)

優秀な聖騎士を輩出する家に生まれたミカエラ。侍女として王宮に出仕していたが、剣術の腕を見こまれ、アドリアン王子の身辺警護を任されることに。カレンデュラの森を治めるアドリアンは、≪闇の星痕≫が肌に浮かんだという「不吉の皇子」。傲慢で冷徹な性格のうえ、不気味な仮面をつけているらしい。とある事情から、ミカエラは男装で王子の警護をすることになるが…。(あらすじより)

 


侍女×ご主人×泣き虫×天然
侍女の女の子が天然で可愛らしいです。

 

今までのヒロインはどこか影のある子が多かったのですが、真っ直ぐで天然で猪突猛進な女の子です。

 


対してヒーローは、今まで腹黒が多かったのですが、泣き虫でかわいい男性です。

 

彼が臆病な性格になった理由は悲しいのですが、今までのメルフェンシリーズの中では二人は明るい雰囲気だったのではないかと思います。

 


けれど、そのかわりというか過去の忌子と女性の話がもう終わっている話なのに想像すると切なくて、今までのシリーズで出てきた忌子もハッピーエンドにならなかったらこういう結末を迎えていたのではないかと思うとせつなかったです。

 

メルフェンシリーズも5作目になってきました。どの作品から読んでも楽しめますので気になる作品をぜひ読んでみてください。

 

 

6作目「賢女が欺かれる童話」

 賢女が欺かれる童話 柘榴の賢女の処方箋 (コバルト文庫)

小さな村で、調薬師として働くティアナ。捨て子だったため、素性も、胸にある痣の理由もわからない。育ての母と仲睦まじく暮らしていたが、ある日、母が重い病に倒れる。途方にくれるティアナだが、妖精たちの助言をもとに、森に住むマリアン王子に助けを求めることに。風変わりな様子の王子(しかし絶世の美少年)は、助ける条件として、初対面のティアナに「結婚」を迫ってきて…?なぜ!?(bookデータベースより)
 
 
 捨て子だった主人公を拾い、育ててくれた薬師のサラ。
 
そんなサラが病気になり助けるために王子に助けを求め専属医を借りることに。
 
病気を治療するかわりに王子が提案したのは花嫁になることだった!
 

 

子供好きな主人公はかわいらしい王子をついつい甘やかしてしまいます。けれど、王子は実は……?と秘密があります。

 

 

一作目から大分年月が過ぎているようなので差別は減っているみたいですが、相変わらず忌子に対しての態度がひどいです。

 


この国にはまともな王様はいないのか!?

 

 

でも、王太子は弟溺愛の良い方みたいなのでこれから良い国になっていくのだろうと期待できます。

 

メルフェンシリーズは今作で完結になります。

どの作品も素敵でファンタジーや童話が好きな人にはおすすめです。

 

 

おまけ

読み終わった後に気付いたのですが、いずれ記事に書こうと思っている「千早あやかし派遣会社」と作者が一緒だったということに驚きましたw

メルフェンシリーズを読んで面白いと感じた人はぜひ千早あやかし派遣会社 (集英社オレンジ文庫)も読んでみて見てください。逆もまたしかりです。