かるく本でも読むか

本との出会いは一期一会。

(ネタバレあり)姉は生きているのか、それとも?誰もが騙される「人喰い」

どうも、ゆんかです。

 

今回紹介するのは、笹沢 左保さん著作の人喰い です。

(人喰い)

 

※後半にネタバレがあります。

(回避できるようにはしていますが、まだ本を読んでいない人は途中でプラウザバックしてください。)

 

熾烈な労働争議が続く「本多銃砲火薬店」の工場に勤務する、花城佐紀子の姉・由記子が、遺書を残して失踪した。社長の一人息子の本多昭一と心中するという。失踪から二日後、昭一の遺体は発見されたが、由記子の行方はわからない。殺人犯として指名手配を受けた姉を追い、由記子の同僚でもある恋人の豊島とともに佐紀子は必死の捜索を続けるが、工場でさらなる事件が起こる。第14回日本推理作家協会賞を受賞した傑作長編ミステリー。(bookデータベースより)

 

 

まんまと騙された。

 

 

あと、あまり関係ないですが、物語の始まりが手紙で始まるというのは夏目漱石の「こころ」を思い出しました。

 

 

まぁ、夏目漱石の「こころ」は最初から手紙ではなかった気がしますけど、高校の教科書では確か三部のお話が載っていたので手紙からという記憶になっているのでしょう。

 

 

それは置いといて。

 

 

姉と恋人である社長の息子が無理心中をするという展開から始まり、あっという間に物語に惹きつけられました。

 

 

休憩なしで一気に読み進めました。

 

 

犯人がまさか◯◯だとは思わなかったために、このやろう!!と怒り心頭でした。

 

 

時代背景でいうと、昭和初期とかになるのかな?

 

 

労働組合とかが出来た時期だと思います。

 

 

物語の中では、ワンマンな社長や差別的な発言、自主退職をすすめる役員など嫌な奴がいっぱい出てきます。

 

 

現代もブラック企業とかありますが、昔はおかしなことが当たり前のように横行していたかと思うと虫酸が走りますね。

 

 

金積まれても絶対昔に行きたいと思わないです。雇用者の横暴、反対!

 

余談

私、だいたい本を読むとき、開いて右側の作者について書いてある部分を読むのですが、今回は驚きました。著者の笹沢 左保さん2002年に亡くなられてるんですね。そして、生涯で380冊もの本を残されたそうで。かっこいいな、と思いました。

本を1冊書くだけでもすごいと思うのに、それが380冊。作品読むよりまず、そっちに目を奪われましたw

 

 

 

☆☆ネタバレ☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

読んでない方はプラウザバックしてください。

 

 

 

 


ネタバレ含んだ感想

 

上にも書きましたが、豊島このやろう!

 


姉を生き埋めにしたかもしれない手で主人公を抱きやがって!と怒り心頭です。

 

 

しかも、捕まったあとの手記もひどい。

 

 

今まで、加害者が本を出版することについてまぁ売り上げが被害者家族に渡ったりするなら良いのかな?とか、本に罪はないと思っていましたが、被害者側の立場が少し分かりました。

 

 

どんな書かれ方をされようが、加害者に被害者のことを語って欲しくないと思いました。

 

 

あと、豊島の妻であるみどりさんは、おそらくあんなに感情的な人ではなく、むしろとても冷静な人なのだと思いました。というか、作中のことは全て演技なので演技力すごいなw

 

 

最後に事件解決に協力してくれた優子さん、いきなり主人公と仲良くなってて驚きました。

 


いやいやいや!早くね?あれ、この二人って元々知り合い?っていうくらい意気投合してて女子ってすごい……と感心。