かるく本でも読むか

本との出会いは一期一会。

読むときっと誰かを大切にしたいと思える……。「ある奴隷少女に起こった出来事」

どうも、ゆんかです。

 

今回紹介するのは、ハリエット・アン ジェイコブズ さん著作で堀越 ゆきさんが翻訳をされたある奴隷少女に起こった出来事です。

ある奴隷少女に起こった出来事

 

 

 

好色な医師フリントの奴隷となった美少女、リンダ。卑劣な虐待に苦しむ彼女は決意した。自由を掴むため、他の白人男性の子を身篭ることを―。奴隷制の真実を知的な文章で綴った本書は、小説と誤認され一度は忘れ去られる。しかし126年後、実話と証明されるやいなや米国でベストセラーに。人間の残虐性に不屈の精神で抗い続け、現代を遙かに凌ぐ“格差”の闇を打ち破った究極の魂の物語。(bookデータベースより)

 

 

なんというか。

 

 

すさまじい作品でした。

 

 

本書は、奴隷の両親の間に生まれ、奴隷として生まれた著者のノンフィクション作品です。

 

 

奴隷。

 

 

それは実際に起こっていることであり、もしかしたら現在も奴隷として扱われて苦しんでいる人がいるのかもしれない。少なくとも、過去に実在していたと考えるととても悲しく思えてきます。

 

 

作者紹介のコメントに、35歳年上の白人医師に性的虐待受ける。

 

とあり、あまりそういった描写のある作品は避けていたのですが、どうしても内容が気になり、購入し読んでみた作品でした。

 

 

読んでみて、白人医師のフリントの行為は常軌を逸しているのですが、生々しい描写ではなく、冷静に描写されているためそれほど抵抗せず読むことができました。

 

 

奴隷である主人公のリンダが、知識が豊富でどうすれば良いのか次の一手を考えているのですが、文体からも頭が良いのは伝わってくるほど魅力的な作品であり、魅力的な人物なのだと思いました。

 

 

話の内容としては、フリントからの逃亡についてが主であるためあまり激しい展開ではないのですが、そのときの心理描写が身に迫るものがあり自分だったらどうするのだろうと考えていました。

 

 

困難な状況にありながらたくましく生きる姿。

 

 

飢えを知らず明日が来ると信じて疑わない私達。

 

 

リンダとは全く異なる時代や環境で生きている我々ですが、それは幸運なことであり、当たり前ではないのだと気づくことができました。

 

 

困難なことがあってもリンダのように自分らしく誰かを守れるようになりたい。そう思うことができました。

 

 

とても良い作品であったためぜひ読んで欲しいと思います。