寂れた田舎町で起こる失踪事件。『犯人は僕だけが知っている』
教室から消えた生徒たち。彼らはどこにいるのか?
松村涼哉さん著作の『犯人は僕だけが知っている』
タイトルからも分かる通り、ジャンルはミステリー!
感無量です。やっぱ読書は最高だと教えてくれた。
寂れた田舎町で起きる失踪事件のお話です。
サスペンス要素と色々現代の闇が描かれているのがリアルで引き込まれました。
主人公である堀口はクラスではあまり目立たない。だけど、いじめられているわけでもない平凡な一人。
そんな彼はクラスメイト3名が次々と失踪していても平然とした顔で学校を過ごしています。
そんな平凡そうに見える彼には秘密があります。
ある心因的トラウマを抱えている彼は治療療法としてゲーム制作を行なっています。
独自性とこだわったゲーム性、引き込まれるストーリーには海外からもファンが多い。
一人暮らしのはずの彼が、帰宅すると「おかえり」という声がかかります。
見るとそこには3名のクラスメイト。
そう、失踪したとされているクラスメイトは全員、彼の家に住んでいたのです。
ここで「えええ!?!?」驚きました。
裏表紙のあらすじに書いてあったのにw
だいぶ前に購入した本だからあらすじ忘れてました。
それ読んで面白そうと思って買ったはずなのにね。
3名のクラスメイト。実は全て主人公が提案して部屋に泊まっています。
今まで会話すらろくにしていなかった。特に仲が良いわけではないのに、どうして同居生活をしているのか?
そんな疑問が生まれます。
そこから一人ずつ、なぜ家に住むようになったのか?そのときの話が語られます。
どの人物も闇を抱えていました。
そして主人公自身も闇を抱えているが故に共感し、助けたいと感じたとこで部屋に泊める理由に至ったのでした。
クラスでの接点はなかった4人ですが、『逃げたい』『消えたい』
そんな共通点を抱えているからか仲良く暮らしていきます。
失踪事件は3名のまま。それぞれの心が落ち着くまでの共同生活……のはずでした。
4人目の失踪者が出たのです。しかも殺されました。
さぁ、犯人は誰?
・主人公が抱える闇は何か?
・犯人は誰なのか?
・3名はなぜ主人公に誘われるまま一緒に住むことにしたのか?
まだまだ謎はありますが、作品を読んでいくうちに一つ一つ疑問が回収され、しかもどれもが繋がっていたことに驚きます。
現代社会の闇要素や暗い部分もありますが、個人的にはわりと救われるハッピーエンドで終わります。
良かったよぉぉぉぉぉ!と。満点ではないのかもしれませんが、きちんと悪事は裁かれ。でも救いはある。
未来もきっと明るい。
そんな清々しい気持ちになれる最後でした。